「クァンタムの事々を解き明かせば、あるいはそれらは明確になるのかもしれません。そして私の占いはそのような超常ではありません。ですが」
「ふむ」
「それがあるなら見て見たい。それを観察し解き明かしたい。それが私の錬金術師としての偽らざる欲望なのです。星を超えたアルケミーなのです」
「なるほど。いや、楽しかったよダ・ヴィンチ卿。忠告は耳に入れておくとしよう」
「ええ――良い晩餐でした。ありがとうございます」
 それきりふたりは何も話さなかった。


第3話~後編~へつづく